マンションとペットの最近の判例-- 判例にみるペット問題と、その解釈と変遷 --

平成17年5月25日判決 川崎簡易裁判所 「飼育差し止めされた飼育者が、管理組合を訴えたもの」

[H17.5.25川崎簡易裁判所 平成16年(ハ)第600号 損害賠償請求事件]
事件番号  :平成16年(ハ)第600号 
事件名   :損害賠償請求事件
裁判年月日 :H17. 5.25
裁判所名  :川崎簡易裁判所

平成17年5月25日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成16年(ハ)第600号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成17年4月20日 

 「共用部では抱きかかえる」というルールのあるマンションにおいて、高齢の飼育者である原告がエレベーター内では体力的に中型犬を抱いたままでは辛いと守れなかった事や、ペットサークルの会費の一部未払いで飼育禁止が言い渡された。これに対し、管理組合の不当行為を訴え、損害賠償を求め、一部認められたもの。

 **判決文は準備中**

 裁判官が、国土交通省より発表されたマンション標準管理規約をもとに管理組合において作成された「飼育細則」に対し、以下のような問題点をあげているのが面白い。
「使用細則の各条項(68条〜77条)の規定が違法とまでは言えないが,71条の飼育者の遵守事項の一部が適用除外になるのが盲導犬等(盲導犬・聴導犬・介護犬など)だけであり,その他は認められていないことである。
 又71条(2)のCはエレベーターに同乗させる場合は他の同乗者がいた場合は必ず了解を得てから乗せることとしているが,1人でも反対する人がいれば乗れず,了解の方法はどうするのか,一番上の階から降りてきた時反対されれば途中降りることになるのか等問題点は多い。
 尚中型犬のエレベーター利用は禁止とする,規定である。小型犬と中型犬の概念について70条2項で規定しているが,体重が16キロ以上になれば中型犬となり,利用が制限され,実質的に飼うことが禁止される。犬も成長につれて当然体重が重くなり突然いろいろな面で利用が制限されることになるので,不合理である。
 これらの規定は一方では飼育を認めておきながら,運用面で禁止し,実質的に飼育禁止と同じ意味を持っていると考えられる。従って,従前からの飼主に対し,一方的に禁止を命じていることになり,従前の飼主の権利を侵害しているものと解する。
 飼主が高齢になり体力がなくなった場合,病気にかかった場合,特殊な事情により従前の者が面倒を見られなくなった場合等特別な事情が生じた時のことを規定していず,考慮していないことも問題である。被告の使用細則は高齢化社会等に対応していないことが認められる。」

++QLA☆動物と暮らす++

Last Update : 2006年03月18日